「実力主義で厳しい」「沢山稼いでいる」などというイメージが先行している外資系金融の日本法人。実際はどのような世界で、そこから日本の会社に転職は出来るものなのでしょうか。このコラムでは外資系金融からの日系金融機関への転職というテーマを考察します。
外資系金融の働き方の特徴
自分が外資に勤めていると気づかない点ですが、日系金融機関と外資系金融機関では働き方についてギャップがあり面接で思わぬ質問が飛んでくる場合もあります。以下のポイントを参考にして一度自分が働く企業の場合と比較して整理してみることをおすすめします。
高い給与
外資系金融機関は実力主義の会社が多い一方、給与が高く20代で年収が1,000万円超も珍しくありません。給与体系は、定額のベース給与とインセンティブ(ボーナス)から構成されていることが一般的です。一方、日系金融機関の報酬は基本的には年功序列ですが、昨今では日系企業でも徐々に年功序列から脱却を図り実力主義へと移行しつつあります。
実力主義とメリハリある働き方
日系金融機関は基本的に終身雇用かつ年功序列ですが、外資系金融機関は年齢に関係なく実力主義で昇進もスピーディーです。外資系企業の求人票にはよく「セルフスターター」という文言があり、指示待ちではなく「自発的に働く」人を求めていることがわかります。また、外資系金融機関は仕事とプライベートのオンオフが明確である等メリハリのある働き方が出来るのも特徴です。
一方で、日系企業は終身雇用制度と年功序列制度が未だ存在しているため安定した働き方ができるのが特徴ですが、昨今では日系企業でも「役職定年」を導入する企業が大手企業を中心に増えており、働き方に変化もあります。
高い語学力とロジカルシンキングが求められる
日本に進出している外資系金融機関は主に欧米圏の企業が多く英語力は必須となります。使用する場面は対顧客というよりは対社内の場面が多いという印象です。よって外資系金融機関への転職の際は高い語学力が求められます。また多くの外資系企業が活躍する社員のスキル像としてはロジカルシンキングがあります。
外資系金融から国内金融への転職のポイント
外資系金融機関はさまざまな業態がありますが、ここでは外資系金融機関共通の転職理由や考慮すべき主なポイントを紹介します。
転職理由
外資系金融機関からの転職理由は、上記で述べたような実力主義と激しい競争によるプレッシャーのようです。金融に限らずこの外資系企業の働き方を象徴する言葉として「アップ・オア・アウト」(昇進か退職か)という実力主義を象徴する言葉があります。また外資系金融機関は意外に日系金融機関よりも福利厚生が充実していないところもあり、激しい業務の割にはトータルで考えると意外に給与が低い場合もあります。
日系金融機関のカルチャーにフィットするのか
外資系金融機関出身の方が日系金融機関に転職すると拒否反応を持たれる場合もあるようです。例えば徹底した実力主義・競争原理の思考が抜けきれず、その言動が同僚間でトラブルになることがあるようです。以下の記事(「悩みが尽きない銀行からの転職、その理由トップ5」)では銀行における退職理由を列挙していますが、外資系金融機関の出身者にとっては、その多くで真逆なイメージを持たれると思われます。
外資系金融から日系金融への転職、お勧めの業界とは?
上述の「高い給与」「実力主義」「メリハリがある働き方」という外資系金融機関の特徴から日系金融機関への転職先として真っ先に考えられる業種を挙げました。
大手証券会社
日系金融機関でも証券会社は実力主義の社風の会社が多いと言われます。日本国内で活動する外資系金融機関は、日系金融機関を顧客とする証券会社が多く、大手日系証券会社の法人営業部門やアナリスト等の専門職は外資系金融機関出身者がフィットする傾向があると言われます。
IFA
IFAは、「Independent Financial Advisor」(独立系ファイナンシャルアドバイザー)の略です。法的な定義はありませんが、一般的に証券会社や銀行など特定の金融機関には所属せず、独立かつ中立的な立場で個人の資産運用をサポートする金融商品仲介業者(IFA法人)や金融商品仲介業者の登録外務員を指します。
なお、こちらの記事(「IFA法人大手10社をセレクト!その特徴とは?」)に登場する株式会社ウェルス・パートナーのメンバーは外資系プライベートバンクと証券会社の出身者が中心のようです。
日系でも外資系でも留意すべきポイントは同じ
これまで外資系ならではの転職のポイントを列挙しましたが、日系でも外資系でも共通する転職に際して留意すべきポイントを以下の通り列挙します。留意すべきポイントは日系でも外資系でも特に変化はありません。是非参考にしていただき、後悔しない転職活動を行ってください。
1.自己分析をしっかり行う
この自己分析が転職において最も大切な期間です。「なぜ自分は転職したいのか?」という自分にとっての根源的な理由を突き詰めることが最も大事です。
例えば、転職の本音ベースのきっかけは人間関係の悪さや給与の低さと言われます。しかしながら、職場での人間関係が悪化して職場に居場所がなくなったとしても、それは部署の異動や別の営業店への異動で解決できるできることかも知れません。給与が低いとしても、それは自分の頑張りの無さからなのか?そもそも給与が低い部署・部門だからか?そもそも給与水準が低い業界だからか?など、さまざまな問いを繰り返して紙に書き出してみることをお勧めします。
2.前向きな転職であるか
前向きな転職でないと、入社してから後悔につながりやすく、入社してから「やっぱり前職の方が良かった」「こんな会社だと仕事にならない」などの不満や後悔が噴出しがちです。
3.転職先の仕事は本当にやりたい仕事か
「転職できればどこでも良い」「給料が上がればどんな会社でも良い」という人がいます。確かに一定水準以上の成果を挙げた方にとっては同業他社より給与が低い状況は我慢できないと思います。ただ、今一度考えるべきは、
「転職先の仕事は本当にやりたい仕事か」
ということです。好きな仕事は長続きします。好きな趣味であれば時間が過ぎるのが早く感じたということはないでしょうか。同様に、もし銀行員があまり好きな仕事でなければ、好きな仕事であれば日々充実し長く仕事ができることでしょう。逆にそれほど好きな仕事でなければ、また転職活動を再開することになるかも知れません。
4.仕事選びを人任せにしていないか
転職エージェントを活用することは転職をより良いことにするためには結構なことだと思います。しかし、転職エージェントの言いなりで転職してしまうと後悔することもあります。
転職エージェントは自分では思いも寄らない転職候補先を紹介してもらえることもあります。ただそれ以前に自分自身の転職のあり方、やりたい仕事、入社したい業界や企業についてよく考えた上で、自分の意見を持った上で転職エージェントを活用するのをおすすめします。
5.普段から語学力を磨く
外資系金融機関は基本的に対顧客というよりは社内でのコミュニケーションで英語を使います。もちろん企業やポジションによって使用頻度の差はありますが、入口段階ですら面接で英語でのコミュニケーションを測る面接があったり、面接官が日本語のコミュニケーションが不可能な外国人であったりと英語ができないと問題外となるケースが多いのも事実です。よって、普段からTOEICや英検等の資格取得をマイルストーンとして英語力を磨いておくことも重要です。
まとめ
以上、このコラムでは外資系金融機関出身の方が日系金融機関に転職する際の考えるべきポイントを紹介しました。ここで紹介したポイントあくまで一例となります。
自分一人での転職活動が不安な場合は、転職エージェントに相談するのも良いでしょう。
金融業界は構造やポジションが複雑であるため、なるべく業界に特化したエージェントを利用することをおすすめします。
無料で相談でき、あらゆるサポートが受けれるため一度相談してみましょう。
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