IFAへの転職は広い意味での金融業界への転職と違い、情報量が少ない傾向があります。直接的な知り合いがいれば別ですが転職エージェントの話を聞くと、思いも寄らないIFAを紹介されたり、知らなかった情報が取得出来るかも知れません。今回は、IFAへの転職を考える証券会社出身者の方々向けに転職エージェントの活用術や金融業界やIFAに強い転職エージェント会社をご紹介します。
なお転職サイトについては以下の記事（「証券会社からIFAへの転職、お勧め転職サイトは？」）をご覧ください。
証券会社からの転職理由
なお、IFAへの転職を検討するにあたって転職エージェントを利用する前に証券会社からの転職理由を整理しましょう。証券会社の転職理由については、以下の記事（「こんな理由が！証券会社からの転職理由5選」）で詳細にまとめていますので是非併せてお読みください。
ノルマがつらい
証券会社は銀行以上にノルマが厳しく、達成できなければ上司からの叱責を受けたり、社内に居づらくなるという話も聞きます。さらに、お客さまの資産運用ニーズを満たすだけではノルマを達成できず、ある程度余裕資金があるお客さまにハイリスクな商品を提案し、お客様の意向に反して回転売買を促してしまうケースもあるようです。
企業文化に馴染めない
職場の雰囲気になじめずに、ストレスを感じることが転職理由には多いといわれます。会社によっては「数字が人格」という会社も多く、その数字というノルマを達成できれば天国ですが、達成できないと上司からの厳しい叱責といったパワハラまがいの仕打ちをうける職場もあるようです。「働き方改革」や世間の注目によりパワハラに関しては以前より沈静化しているようですが、職場によってはこのような企業文化が未だ継続するところもあるようです。
転職エージェントとは？
一般に転職エージェントは「民間の」職業紹介事業者を指します。職業安定法ではこの民間の職業紹介事業者は有料職業紹介事業者とされ、求職者（転職希望者）と求人者（企業）との仲介を行って、双方の要求を満たすような転職の実現を目的としたサービスを提供します。
なお、転職エージェントの概論や利用方法、心構えについて、こちらの記事（「金融業界からの転職！いかに転職エージェントを使いこなすか」）に詳細にまとめていますのでご参考にしていただければ幸いです。
証券会社等の金融業界に強い転職エージェントは？
証券会社等の金融業界に強いと言われる転職エージェント会社をいくつかご紹介します。
ここではそれぞれのエージェント会社を「国内全天候型」「国内ハイクラス型」「外資系型」という３つの類型に分けて、その類型の中で代表的な最大級のエージェント会社をご紹介します。実際に各エージェント会社を利用した「筆者の経験」を元にしています。観点が違う特異な感想であることをご了承ください。
なお、３つの転職エージェント会社はともに自社のサイトを持ちつつも転職サイトにも転職エージェント単位で求人案件を出稿しています。
【国内全天候型】リクルートエージェント
以前はリクルートグループ内の独立した企業で、現在はリクルート株式会社の一部門である転職エージェントサービスです。よってこの項では転職エージェント会社ではなく転職エージェントサービスとします。
求職者ごとの担当制
この転職エージェントサービスは特段金融に特化したものではなくそのため「全天候型」としていますが、同じ「全天候型」と言えるパーソルキャリアが提供するdodaとは異なり、案件ごとに別々に担当者が担当するものではなく、しっかりと求職者個人に対して担当がつくこともあり安心感が感じられます。なお、他の転職エージェント会社は求職者ごとの担当制ではなく案件ごとの担当になっています。
個人ごとにカスタマイズされたパーソナルデスクトップ
リクルートという世界屈指の資本力がある企業のためか、担当制と同時に個人ごとにカスタマイズされたパーソナルデスクトップというマイページがあります。転職案件の検索はもちろん、お気に入り的な機能などマイページに必要な要素は盛り込まれています。また、書類選考が通過すると面接日時の日程がシステム上のカレンダーで簡単に指定できので非常に便利な印象がありました。また、小規模な転職エージェントとは異なり面接後の感想の連絡も定型化・システム化されており、突然転職エージェントから電話がかかってきて面接の感想を求められるような煩わしさが無いのも良い印象を持ちました。
案件の給与レベルはそこそこ
特に金融に特化しない転職エージェントのせいか、求人案件の給与レベルはそこそこといった印象、つまり求人案件は最大でも年収1,000万円前後で、500万円〜1,000万円という求人案件が中心のイメージです。ただ求人案件数が多く、担当制の割には求人に申し込んでも担当エージェントからしつこく申し込んだ理由などを聞かれることもないので躊躇なく求人に申し込める気楽さがあります。また、求人案件数が多いものの金融関連の案件数はやはり全天候型のため少なさは否めないという印象です。ただ、金融業界に限らず別業界への挑戦などの想いがあれば決して損はしない転職エージェントと言えましょう。
【国内ハイクラス型】コトラ
さまざまな転職サイトで転職エージェントが顔を出す、金融に特化した転職エージェント会社です。
（多分ですが）転職エージェントの殆どが金融業界出身者
この会社の転職エージェントの特徴は金融業界出身者が多い点です。よって、他の全業種をカバーする転職エージェントと違い、エージェントとの面談時に意思疎通が出来ないということはまずありませんでした。他の転職エージェント会社ですと、銀行や証券といったメジャーな業界ですら業務内容を理解していない方が多く閉口することも多々ありましたので、その点において最も信頼できるエージェント会社と感じました。
案件の給与レベルはミドルクラスからハイクラスまで
案件の給与レベルは国内金融中心であるためか、800万円以上1500万円のぐらいの求人案件が多く感じました。いわゆるミドルクラスからハイクラスという印象です。他の転職エージェントが保有する金融関連の求人案件はこの会社もまず同一案件を保有しているといった印象でした。
金融業界から金融業界への転職には迷わず登録すべし
所属する転職エージェントは金融業界出身者であること、ハイクラスの求人案件も保有していることから金融業界から禁輸業界への転職には必ず登録しておくべき転職エージェントと感じました。
【外資系型】ロバート・ウォルターズ
外資系に特化した転職エージェント会社です。
（多分ですが）エージェントが外国人だけ、英語での意思疎通可能が前提
この会社の転職エージェントは筆者が接した限りではありますが、エージェントは皆外国人です。よって電話面談でもビデオ会議での面談でもエージェントと意思疎通するには最低でも日常会話ができること、併せてやりとりするEメールで英語が読めること・書けることが前提となります。考えてみると多くの日本に進出している外資系企業では、純粋な事務セクションであっても最低限日常会話レベルの英語は使えなければ話になりませんので当たり前と言えば当たり前です。
案件は多く、給与レベルはやはりハイレベル
この会社の転職エージェントは明確に担当制とは謳っていませんが、一度接点を持ったエージェントからフィットしそうな案件を送っていただけます。総じて外資系金融の保有求人案件は多いようで、かつ給与レベルは外資系金融のせいかベース給与が1000万円以上の求人のみでした。
こちらも外資金融への転職には登録必須か
昨今の大手外資系金融では企業が直接求人案件をサイト上に開示しており、自分でそのサイトのアカウントを作成してマイページを作り様々な項目を入力して初めてエントリーできる・・・といった手間がかかります。ですが、転職エージェント経由で応募する場合は、その求人企業の求職者用マイページに転職エージェントが代行して入力・エントリーできる専用アカウントがあるようで非常に楽でもあります。いちいち企業のページを周回することは面倒ですので、このような外資系専門の転職エージェントの存在はありがたく思いました。
また日本の外資系金融を扱う専門エージェント会社は、高圧的な態度で不愉快な印象を与える者が多い印象です。一方で、このロバート・ウォルターズは非常にフランクな外国人ばかりという印象です。
英会話ができることが前提になりますが、こちらもコトラと同様に金融機関への転職を考える方は登録必須と思われます。
IFAへの転職に強い転職エージェントは？
IFAは、金融商品仲介業者の数から言えば全国に684社（2023年6月末時点）が存在しますが小規模な業者が多く、よっぽどの大手でなければその実情どころか採用情報も取得するのは難しいかも知れません。そこでIFA専門の転職エージェントを活用するのが良いかも知れません。例えば以下のような転職エージェントが存在します。
アドバイザーナビ株式会社
同社はIFA専門の転職支援サイトのほか、資産運用アドバイザー紹介サービス、IFAプラットフォーム、IFA営業支援サービスを運営する企業です。IFA専門企業だけあって、豊富なIFA法人への転職事例を保有しています。
IFA転職 おすすめ！
アドバイザーナビ株式会社が運営するIFA特化の転職エージェント。野村證券出身者が立ち上げたサービスで、IFAへの転職利用満足度No.1、金融機関勤務者が転職に使いたいサービスNo.1を獲得。
まとめ
以上、証券会社から転職を考えた際のポイントとして、各転職エージェントの特徴をご紹介しました。
性格や、転職に対する意欲度合い、転職先の希望業界などにより強みを持つ転職エージェントは異なります。あなたの希望に合った転職エージェントを利用することで、転職活動がよりスムーズに進むでしょう。
転職エージェント選びに困った際は、幅広く紹介してくれるエージェントと希望業界に特化したエージェントの２パターンを利用することをおすすめします。前者では、思いがけない求人に出会える可能性があり、後者は希望業界でより良い求人を紹介してもらえるでしょう。
\ 証券会社からの転職を検討している方必見 /
