証券会社と聞くと「実力主義」という社風が真っ先に浮かぶものです。このコラムではよく聞かれる証券会社からの転職理由を中心に、強み、そして強みを活かせる転職先を紹介します。
証券マンの転職理由
ここでは証券会社に勤務する方、特に営業に従事する証券マンがどのような理由で転職を検討するのか、その理由をリストアップしました。
1.ノルマがつらい
証券会社は銀行以上にノルマが厳しく、達成できなければ上司からの叱責を受けたりや社内に居づらくなるという話も聞きます。さらに、お客さまの資産運用ニーズを満たすだけではノルマを達成できず余裕資金があるお客さまにハイリスクな商品を提案し、お客様の意向に反して回転売買を促してしまうケースもあるようです。
2.企業文化に馴染めない
企業文化になじめず転職を考える人も多いといわれます。会社によっては「数字が人格」という会社も多く、ノルマを達成できれば天国ですが、達成できないと上司からの厳しい叱責といったパワハラまがいの仕打ちをうける職場もあるようです。「働き方改革」や世間の注目によりパワハラは以前より沈静化しているようですが、職場によってはこのような企業文化が未だ継続するところもあるようです。
3.やりがいを見いだせない
一般に証券会社の営業マンは、ノルマを達成するために「お客さまのニーズや夢を叶えるために最適な商品をご提案する」というより、「会社の方針や自分のノルマ達成を優先してお客さまにご提案する」こともあるといいます。このような「組織のしがらみ」のためにお客さまへの罪悪感に苛まれる営業マンも多いようです。つまり「やりがいを見いだせない」ということです。
4.同僚がどんどん辞める
同僚がどんどん辞めていくことも転職理由のひとつとなります。どの会社でもそうですが「優秀である、もしくは仕事ができない人間が早く辞める」という話はよく聞きます。優秀な方が辞めるのはキャリアアップのためだと容易に想像できます。一方、仕事ができない方というのは、性格が良い人が多い印象です。優しいが故に、お客さまに強く提案ができないケースですね。彼らがノルマが達成できず詰められる、もしくは理不尽なパワハラで辞めるケースも多いと言います。また、一時的にノルマが達成できない場合でさえ仕事ができない人と認定されることもあるようです。そのような方が辞めることで職場に悲観して考え込み同じように辞める方も多いようです。
5.年齢にポジションに見合ったポジションがない
証券会社は実力主義ですので年齢に見合ったポジションが用意されていない場合も多いようです。証券会社では30代で執行役員に出世する一方、平社員のまま年下社員の部下になることもあります。実力が評価される環境ですが、成果が出ないと辛い部分も多いでしょう。
証券マンの強みと弱みとは?
証券マンの強みは一般に「強い精神力」「コミュニケーション力」「論理的構成力」「経済動向に関する敏感さ」「マーケティング力」と考えられます。以下の記事(「証券会社からの転職!その強みと弱みとは?」)ではその強みについてまとめています。参考にして頂ければと思います。
証券会社からの転職を成功させるアピールポイント
上記の通り証券会社、特に営業マンの強みについて触れましたが、転職成功のポイントは以下のような点をアピールすることです。
- 数字に対する強さのアピール
- 営業で培ったスキルのアピール
- 知識だけではなく自分ならではの経験のアピール
- 志望業界・職種・企業のリサーチ
もちろん志望する業界・職種・企業によってアピールポイントは異なりますが、これらを意識して転職活動をすることで、転職成功の確率を高められることは確かです。以下の記事(「証券会社からの転職!営業マンのアピールポイントとは?」)ではこのアピールポイントを詳しく解説しています。併せてご覧ください。
証券マンの強みを活かす転職先
以上のような強み、弱み、アピールポイントを踏まえた転職先は以下のような先が考えられます。
1.他の証券会社
「また証券会社の仕事って・・・」と思う前に自身が転職をする理由を一度考えることが必要です。転職理由が人間関係や給与である場合は、他の証券会社も有力な選択肢となります。企業が求めるのは「即戦力」です。一方で、自分自身も転職後に業界や顧客を研究する時間的な負担が最小限となります。仕事は好きだけれど、待遇・環境だけ変えたいと考える方には有力な選択肢となります。
2.銀行
銀行業務は、「お客さまの資産を預かり運用する」という意味では証券会社と近いと考えられます。個人向けの金融商品販売門職となりますが、市場運用に係る業務の場合は特に証券会社での経験を活かすことができるでしょう。
3.コンサルティング会社
コンサルティング会社のコア業務は、企業の問題を「見える化」して問題解決に導くことです。証券会社の営業マンが日々行っている金融商品の販売もお客さまのライフイベントに応じてヒアリングを重ね、より良いライフプランを設計し、その目標に合った金融商品を提案することです。個人のライフプランと企業の問題では形は違いますが、大枠は同じことです。
4.M&A仲介会社
M&A仲介会社の業務は、譲渡企業と譲受企業の間で、法務・財務・税務等様々な角度に照らしアドバイスや条件交渉をするというマッチングのサポートがコアです。金融・法務・財務・税務等の幅広い知識が求められる一方で、合併や事業譲渡というセンシティブなビジネスだけに証券会社で培ったコミュニケーション力を存分に活かせるでしょう。
5.不動産会社
一般に「住宅購入は人生で最大の買い物」と言われます。数百万円・数千万円という金融商品を日々取り扱う証券会社の営業営業マンは、お客さまとの信頼関係を構築する術を知っています。というのは不動産の売却・購入は商品が高額なこともあり即断即決することは少なく、間に入る営業マンの言動ひとつでビジネスが良い方にも悪い方にも転がる可能性があるからです。コミュニケーション力に長けた証券会社にはうってつけと思われます。
6.アセットマネジメント会社
この業種は営業マンには馴染みが深い公募もしくは私募の投資信託の運用や、公的・私的年金の運用に係る投資顧問業を行っています。
大手証券グループ傘下には証券出身の人材が出向者・転職者として勤務しています。例えば、投資信託を運用するアセットマネジメント会社で国内大手と言われる7社のうち、
- 野村アセットマネジメント(野村グループ系)
- 大和アセットマネジメント(大和証券グループ系)
の2つは大手証券グループに属しています。
アセットマネジメント会社の業務はあまり知られていませんが、証券マンであればその業務経験からアナリストやポートフォリオマネージャー(ファンドマネージャー)といった運用部門、リレーションシップマネージャー(マーケター)やホールセラーといった営業部門など幅広く従事できるチャンスがあります。
ただ、大手のアセットマネジメント会社は、金融以外の全業種を含めてトップクラスの高給を出す会社が多い一方で、社員数が1,000名前後といった少数精鋭の企業が多いため入社はかなりの難関です。
7.IFA
IFAが取り扱う商品と証券会社の営業マンが行う業務は重複しており即戦力が期待できます。IFAについては以下の記事(「昨今注目度が高まるIFA、その職業としての魅力をご紹介します!」)等を参考にして頂ければと思います。
まとめ
以上、証券会社と辞める理由と転職先についてお話ししました。
証券会社は激務なことが多く、転職活動を並行して行うことが難しい場合も多くあるでしょう。
そのような場合は転職エージェントを利用することをおすすめします。
転職エージェントは、求人情報の紹介はもちろん、履歴書・職務経歴書の添削や、面接対策もサポートしてくれます。また企業との日程調整などのやりとりもおまかせできるので、忙しい方でも簡単に転職活動を進めることができます。
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